真喜志  TOM MAX
真喜志 勉
Turbulence 1941−2015

2020年7月4日−9月22日  多摩美術大学美術館

 多摩美術大学美術館で、真喜志勉 Thrbulence 1941−2015が開催された。

​ 真喜志の急逝後、これまで、沖縄県立博物館・美術館で「真喜志勉展”アンビバレント”」(2016年11月1日〜2017年4月2日)、沖縄県立芸術大学附属図書・芸術資料館での同時期開催「真喜志勉展”Out to Lunch" 」(2016年11月17日〜27日)、そして、沖縄県立博物館・美術館での「真喜志勉ドローイング展」(2019年10月19日〜2020年2月9日)が開催された。

 しかし、約90点の作品、そして伝え聞く充実した企画の回顧展は、これまでにない大規模展覧会であったので、当然、東京まで観に行くつもりだった。

​ ところが、新型コロナウィルス感染症の感染拡大が起き、5月29日に沖縄で334人の新規感染者、東京でも7月に入って新規感染者数700人超えになり、恐ろしくなって旅行を断念した。

​ その後の8月〜9月や今年に入ってからのオミクロン株による爆発的な感染拡大を経験した今となっては、あの時、観に行っておけば良かったと後悔するばかりである。

 多摩美術大学美術館では、特設サイトを公開しているのでここで鈴木余位撮影・編集の展示室の映像を観るしかない。

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 真喜志勉 Thrbulence 1941−2015では、充実した図録も発行された。真喜志のスケッチブック1冊の精巧な印刷本が付録に付いている素晴らしい図録である。

 担当学芸員の関川歩、共同企画の町田恵美をはじめ、豊見山愛、比嘉良治、石田尚志、港千尋という多彩な執筆陣のテキストが載っている。

​ ご本人、及び、多摩美術大学美術館のご了解を得て、町田恵美「いま真喜志勉を見ること」をここに転載させていただいた。

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真喜志 勉 個展「黙視」

2014年10月10日〜19日 MAX PLAN

 この年、真喜志勉さんは、奥様の民子さんと連続で、ご自宅の2階にあるギャラリースペースMAX PLANで個展を開催された。

​ たまたまその頃、iPhoneのメモリームービーの機能を知ったばかりの私は、この二つの個展のショート・ムービーを作っていた。

​ 今見ると、単純なスライドショーでしかなく、おまけに写している写真の大半が、コラージュされたオスプレイのアップばかりという、記録にもならないような代物であるが、真喜志さんが急逝された今となっては、最後の個展会場を撮影した貴重な映像となってしまった。

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Turbulence 雑感

 この最後の個展「黙視」と前年の個展「開眼」の作品シリーズ名である Turbulence は、多摩美術大学美術館での回顧展のタイトルにもなっている。

 たしか、かなり開催が迫ってきている時期まで、展覧会のタイトル名を絞りきれていなくて、一度、町田さんに意見を求められたことがあった。

 いくつかの候補とともに、 Turbulence という単語を聞いた時、私自身として、とても思い入れのある言葉ではあるが、真喜志勉の全体像を表す言葉としてはどうだろうかと述べた。

 思い入れというのはこのようなことだ。

​ 私は、2012年12月から2013年1月にかけて、名古屋市の葵倶楽部で個展を開催した。この個展開催を決めたのは2012年1月だった。

​ 当初は写真と物語の作品で個展をするつもりだったのだが、ギャラリーオーナーの大井さんから、絵画作品も展示をと望まれ、やっと時間に余裕が出来た3月から、絵画の制作を久しぶりに再開した。

 詳細は別のページで見ていただきたいが、Jean Duvetというマニエリスム期のフランスの版画家の作品をベースに、テンペラ白のハッチングで形を隠していくように描いていった。ある程度方向性が見えてきたところで、ハッチングの線の重なりが水流や気流のように見えてきた。2011年は3月に東日本大震災があった。描くうちに無意識にそのことが影響したのかもしれない。私はレオナルド・ダ・ヴィンチの洪水図のデッサンを思い出していた。レオナルドの水のデッサンを幾つか見直しているうちに、様式化された美しい一枚の水流のデッサンに目が止まった。Turbulenceとタイトルの一部にあった。レオナルドの大洪水図は大きな自然の循環も表している。この Turbulenceを葵倶楽部個展の新作絵画のシリーズ名にしようと決めた。

​ 名古屋での個展を終え、沖縄でもこの作品群で個展を開きたくなった。MAX PLANは葵倶楽部個展のコンセプトを活かせる理想的な会場だった。

​ 葵倶楽部個展の作品図録を携えて、真喜志家に伺い、MAX PLANでの個展開催をお願いして了承していただいた。

 2013年真喜志勉個展「開眼」でシリーズ名が Turbulenceになっていることに気付いた。オスプレイの放つ「乱気流」のことと、同じ時期に真喜志さんも同じシリーズ名をつけたのだと嬉しく思っていた。

 だから、Turbulence は真喜志さんの最後の作品群のシリーズ名であるとだけ考えていた。自分の方が半年か1年早く名付けたと思っていた。

​ ところが、真喜志さんの急逝後、相次いで発行された図録や開催された展覧会で、Turbulence という単語が、2011年の I Love Marilyn not Marine のシリーズにも既に書き込まれていることに気付いた。

​ オスプレイの巻き起こす「乱気流」だけでない、マリリン・モンローのスカートを捲り上げる「アメリカ映画史上最も有名な風」地下鉄の通風口から吹き上げる風でもあったのだ。

 

 私は、いっときの事とは言え、言葉の達人である真喜志勉と張り合おうとした自分を恥じた。

 それと同時に、私は、岡田有美子さんが書いてくれた、葵倶楽部個展の展評の内容を思い出した。

 

 町田さんは、何故、最終的に Turbulence を展覧会名にしたのだろう。今度、ゆっくり話してみたい。

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MAX PLAN 2018

 真喜志民子さん・奈美さん母娘は、2018年から毎年、年代を区切って真喜志勉展を開催している。

 2014年のショート・ムービーで味を占めた私は、この全ての展示をショート・ムービーにしている。

 記録を意識していないので、偏った撮影だが、自分の興味には素直に従って撮影し編集した。

​ こうして、4年が経過してみると、真喜志勉の一貫した姿勢というものが見えてきて、大変、感慨深いものがあった。

​ どうぞご覧ください!

2018   TOM MAX 1970-1979

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2019   TOM MAX 

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2019   TOM MAX 1980's

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2019   MAX PLAN 1980-1989

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2020   TOM MAX 1990-1999

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2021   TOM MAX 2000-2005

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